空想科学的雑記帳

メカやらトミカやらペーパークラフトやら。

AI美空ひばり

山下達郎氏が1/19放送のFMラジオレギュラー番組で、大みそか紅白歌合戦で披露された「AI美空ひばり」にコメントしたことがニュースになっていました。 

いかにも氏がおっしゃりそうな内容。ひばりさんに限らず過去のアーチスト達を敬愛すればこそのコメントと感じます。

 

 

AI美空ひばり、私も大みそかの紅白で見ました。

 

正直、違和感。残念ながら歌も姿も似てない。美空ひばりだと言われればそうかなと言う感じ。

もちろん前情報で、AIを活用しボーカロイドで歌声を作ったことやCG合成で姿を再現したことは知っていました。

天下のNHKとて、神調教のボカロPを上回ることを期待するのはそもそも無茶? 歌詞とメロディーの不調和はないものの、「似てないなぁ」と。姿については「そう思ってみれば、かろうじて美空ひばり」というレベルと感じた。

=>ただ歌については、後日youtubeで再度見直したところ、「クセのない美空ひばり」という評価に変更。晩年は割とサラッと歌っている感じだったかとも思うので、晩年の美空ひばりのその先の今、と考えると順当なのかも、と思い直し。

 

ここで「関係者は何がやりたかったんだろうかな?」と思うわけです。
#秋元氏はまぁCDも出して金儲け、かもしれないけど。

見た目の姿が似ていないのは、「もし今、存命なら」と数年分の年を取らせた結果なのかもしれません。たぶんNHKの関係者は、技術の粋を集めて正確に再現したのでしょう。でも、ただそれだけ。視聴者はそこを期待していたんだろうかな? 紅白だし

もっとものまねタレント風に、美空ひばりっぽい歌い方や見た目にもできただろうと思います。「所詮、機械のモノマネですよ」でもよかったのではないかな、と。

そのほうが美空ひばりらしい「美空ひばり」を期待している人には納得感があったのではないかなぁと、個人的には思う訳です。 
不気味の谷をあえて超えずに、手前側でバーチャルモノマネだと割り切ってしまうのも、エンタメ的には受けそうな気もしますけどね。

 

さて 今回の企画に関しては、バーチャル再現はもとより、「新曲」としてCD発売するに至ってはどうよ、と更に疑問符がつきまくり。

たしかに、バーチャルキャラクターが、本人風を装って、本人の意思でないことを言ったり歌ったりする訳ですから。フェイク動画などに至らなくても、故人の尊厳を大きく損ねる可能性があります。

 今回の企画でも、「おひさしぶりです」「あなたのことをずっと見ていましたよ」と、いかにもあの世から戻ってきたかのようなセリフをしゃべらせる、というのはどうよ。悪趣味すぎ、いろんな意味で気持ち悪いよ。

 

この件は世論でも、倫理的な賛否も分かれているようです。

 

 

 まぁひばりさんの義理の息子の加藤氏が涙ぐんで見ていたので、良しとしましょうか。

 

 

 

 

そう遠くない未来に、仏壇のモニター越しに爺ちゃんが「元気か~」とか話しかけてくるのだろうな、きっと。

 

 

日曜14時、サンソン も是非。
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